前回の記事で軽く触れた、中華トランシーバーを広帯域受信機に改造する話。
他のブログに掲載していたものではあるが、機械いじり系の話はこちらのブログでやりたいと思い記事を引っ越してきた。
Quansheng UV-K6という3,000円くらいで買える怪しい中華トランシーバーがありまして、もちろん日本の法律下ではとても使えるレベルではない代物。
ただし、これは電波を出す場合に限っての話で、電波を出せないように改造することで、単なる受信機として使うことができるようになるわけだ。
UVシリーズとは
Aliexpress等で販売されている、中国製の無線機のこと。
スプリアス規制など知ったことかという勢いで途轍もなく汚い電波を発するため、日本国内で使用すると違法になります。でもこれアメリカや中国だと普通に使われているみたい。
UV-K5(8)、UV-K6、UV-5R等々、機種は色々あるが今回はUV-K6を購入した。それぞれちょっとずつハードウェアに違う部分があるらしいので、受信機化改造の手順も異なるらしい。この記事ではUV-K6 V3を使って受信機改造を行う。
必要なもの
無線機本体+プログラミングケーブル
Aliexpressから購入。26年2月現在3,580円。
無線機本体のほかに、PCと無線機を接続してソフトウェアを書き換えるプログラミングケーブルも必要になる。

https://ja.aliexpress.com/item/1005006246890948.html
Windows PC
ソフトウェアの書き換えに必要。
カスタムファームウェア&書き込みツール
UV-K6のバージョンにより、動作するもの・しないものがあるらしい。
私の手元に届いたUV-K6はV3だったため、V3対応のソフトウェアを探してきた。
UV-K6のバージョンは、バッテリーを外した本体の裏側に記載されている。

(バーコードの右肩あたりに無線機のバージョンが記載されている)
ファームウェアについての情報はここを参照。
CHIRP-next
PCから無線機の設定を変更・バックアップするためのソフト。
CHIRPモジュール
UV-K6 V3対応のCHIRPモジュールです。
uvk5_egzumer_f4hwn_ver_4_3_0.py をダウンロードしておく。
書き換え作業
必要なものが揃ったら改造作業に入っていく。

箱を開けるとこんな感じで、無線機本体とプログラミングケーブルが出てくる。
まずは無線機右上のオレンジのダイヤルを時計回りに回して、電源が入ることを確認。
この段階ではアンテナは接続しないように。電波が出る状態になると法令違反になる。
電池が少なかったら無線機を充電しておこう。ちなみに、USB Type-Cポートから充電できるのかと思いきやそんなことはなく、別途充電クレードルを買う必要があった。なんじゃそりゃ。
バックアップ
不測の事態に備えて、初期状態のバックアップを取っておこう。
UV-K5 V3 & UV-K1 Web Tool にアクセスして、「Dump Calib」を選択。

無線機にプログラミングケーブルを挿し込み、PCとUSB接続する。
(この時、プログラミングケーブルが無線機のジャックの奥まで刺さっていないとエラーの原因になる。初めて使う時は気持ち強めに、奥までケーブルを押し込むこと)
無線機の電源を入れ、「Dump Calibration Data」を押下すると

このようなメッセージが表示されるので、シリアルポートへの接続を許可するとバックアップデータが生成される。
バックアップデータはPC内に保存しておこう。
バックアップが完了したら無線機の電源を切る。
ファームウェア書き込み
次に、ファームウェアの書き込みを実施する。
先ほどの UV-K5 V3 & UV-K1 Web Tool から、「Flash Firmware」を選択する。

F4HWNのUV-K5V3対応ファームが選択されていることを確認しておこう。
無線機のPTTボタンを押し込みながら無線機の電源を入れると、無線機がファームウェア書き込みモードで起動する。上部のLEDが点灯したら書き込みモードの合図。
無線機が書き込みモードで起動したら、「Flash firmware」を押下するとファームウェアの書き込みがスタートする。30秒くらいLEDがチカチカして、完了すると画面上にメッセージが出てくる。
完了したら無線機の電源を切ってケーブルを取り外そう。
リセット
念のため、ファームウェアの書き換えが終わったら一度無線機にリセットを掛けておこう。
左側面のPTTボタンと、その下のボタンを同時押ししながら電源を入れるとF Lock Menuに入ることができる。
そこから74番の項目「Reset」を選択してAボタンをポチポチすると無線機本体がリセットできる。
送信禁止設定
リセット完了後、PTTボタンとその一つ下のボタンを同時押ししながら電源を入れ、F Lock Menuに入る。
70番の「F Lock」を選択し、B/Cボタンで「DISABLE ALL」を選択してAボタンで決定すると電波の送信ができないように設定できる。
設定後は再度、無線機の電源を切ります。これで受信機化改造は完了。
PCから無線機を設定する
無線機の電源を入れて、Mボタンを押下すると色々と項目があるのに気づくかと思う。これらの項目をすべて無線機のキーボードから設定するのはかなり辛いため、無線機の設定をPCから書き込める便利なツールがリリースされている。それが前半で触れた「CHIRP-next」だ。
このCHIRP-nextをUV-K6 V3で使うのに一工夫必要なのだが、この章ではその解説をしていく。
CHIRPをインストールする
Download - CHIRP にアクセスして、「Download the latest CHIRP-next build here」から最新版のCHIRPをダウンロードしてこよう。そのままWindowsにインストール。
立ち上げただけではまだUV-K6で使うことはできない。
左上の「ヘルプ」から「開発者モード」をオンにする。

その後、「ファイル」から「モジュールをロード」を選択。

GitHub - armel/uv-k5-chirp-driver: Quansheng UV-K5 radio CHIRP driver for F4HWN firmware
で落としてきたuvk5_egzumer_f4hwn_ver_4_3_0.pyを読み込ませると、CHIRPでUV-K6を扱うことができるようになる。
無線機を接続して電源を入れた状態で、「無線機からダウンロード」を押下すると設定の読み込みができるようになる。

あとはCHIRPで設定を書き換えて無線機にアップロードするだけ。
まとめ
国産の広帯域受信機を購入しようとすると1万~2万円くらいはかかってしまうものなので、それを考えるとUV-K6は非常に経済的な選択肢になると思う。
時間と、機械いじりへの興味がある方はぜひチャレンジしてみては。